■奇門遁甲の直使八門の算出
直使八門とは、奇門遁甲の遁甲盤を作成する際に大事になる「基準となる八門」の事になります。
直使八門を明確にすることで遁甲盤の作成が行われ、各方位の吉凶判断においての大事な点になります。
奇門遁甲は、八門遁甲とも呼ばれていたように、この八門の要素が大事な部分でもあり、直使八門を正確に判断し遁甲盤を作成することが必要不可欠なものになります。
奇門遁甲における八門は、実際の時期としての二十四節気の影響を受けやすく、「旺相死休囚」などを考慮することも大事なるため、作盤時には慎重に配置する必要が有ります。
ここでは、この先の各盤で出てくる「直使(八門)」が分かりやすいように、事前にその考え方や用語解説をしているという内容になります。
直使八門は、遁甲盤を作成する際に大事なる、「地盤」の旬首の宮の定位八門になります。
そのため、地盤を配置する際に大事になる「局数」と、その盤の時の干から算出される「旬首」の要素が必要になります。
この要素を間違えると、全ての要素の配置が違うものになるため、慎重に算出し、考慮する必要が有ります。
直使八門に関しては、特別な意味合いが負荷されるわけではなく、遁甲盤を作盤する際の起点となる八門として考慮することになります。
八門の配置は、陽局か陰局かで考え方が変わり、時の干と直使八門を元に配置していくのが、ここでの奇門遁甲の基本手順になります。
▼奇門遁甲の八門の象意
八門 | 象意 |
休門 | 慶事が訪れる 周囲と喜びを分かち合う ゆっくり休んで喜べる 大きな出来事が起こる |
生門 | 純粋な思いに浸れる 大きなものを生み出す 生命の尊さを実感する 幸せが訪れる |
傷門 | けがなどをして身体を損なう 大事なものを失う 心を痛めて辛いく苦しい思いをする |
杜門 | 閉鎖的な状況に陥る 方向性を失い迷走する 冷静さを欠き判断を誤る 人に騙される |
景門 | 多くの人が集まり多くの人に見られる 周囲からの注目を浴びる 輝きや華麗さを得る |
死門 | 状況に終止符が打たれる 望まつ結末に至る 周囲の人の死や葬儀に関係する 凶事が訪れる |
驚門 | 予測できない事態に陥る 緊張が絶えない状況が続く 精神面での安定性を欠く |
開門 | 努力が報われる 成功や発展への道が開かれる 自由を得て可能性が広がる 大事が始まる |
■奇門遁甲の直符天蓬九星の算出
直符天蓬九星とは、奇門遁甲の遁甲盤を作成する際に大事になる「基準となる天蓬九星」になります。
直符天蓬九星を明確にすることで、天蓬九星の配置を円滑に行うことができます。
天蓬九星自体は、ここでの奇門遁甲においてはそれほど重要な要素ではありませんが、重視する流派もあるため、作盤法を確認しておくことが必要になります。
ここでは、直符天蓬九星としていますが、奇門遁甲盤を構成する要素「八神の直符」とは別のものになりますので注意してください。
直符天蓬九星は、天蓬九星の配置となる基準となるもので、特別な意味合いを持つものではありません。
ここでの奇門遁甲の直符天蓬九星は、「地盤」の「旬首の宮の定位天蓬九星」になります。
この直符天蓬九星を基準にして、天蓬九星を配置していくことになります。
旬首の宮の定位天蓬九星を基準にしていくため、旬首の確認と、定位天蓬九星の確認が必要事項になります。
天蓬九星の配置法としては、「直符天蓬九星」を「地盤の時の干」へ配置します。
そこから立向盤や座山盤、陽局や陰局により、決められた順で配置していくことになります。
▼奇門遁甲 天蓬九星の定位
天輔星 | 天英星 | 天芮星 |
天冲星 | 天禽星 | 天柱星 |
天任星 | 天蓬星 | 天心星 |
▼奇門遁甲の天蓬九星の象意
天蓬九星 | 象意 |
天蓬星 | 予期せぬ問題の到来 精神面が不安定になる 安定が失われる 問題が悪化していく |
天芮星 | 立場が不安定になる 問題や悩み事が訪れる 精神的に追いつめられる 予期せず問題の発生 |
天冲星 | 勢い良く前進できる 積極性や行動力が備わる 立場や状況や飛躍的に上昇する |
天輔星 | 慶事が訪れる 周囲と喜びを分かち合う ゆっくり休んで喜べる 大きな出来事が起こる |
天禽星 | 少ない労力で大利を得る 計略を巡らせて勝利を得る 人の信頼を勝ち取る 収穫が多い |
天心星 | 精神的な関係性の向上 人間関係の好転と絆の形成 心身ともに健康を得る 喜びごとが訪れる |
天柱星 | 重要な拠点や大事なものを守れる 周囲と協力して問題を乗り越える 何事も安定する |
天任星 | 目上から評価されて信頼を得る 信頼できる目下を得て任せられる 重責を担う 役割を与える |
天英星 | 表面ばかりの関係に陥る 妬みや嫉妬を買う 人間関係の問題に足を引っ張られる 中身が無い |
■奇門遁甲の八神の直符
奇門遁甲の遁甲盤を作成していく際に、地盤干では局数が大事になり、天盤干では旬首と時の干が大事になります。
八門の配置に関しては、直使八門と時の干、陰陽局が大事になり、配置法は複雑なものになります。
天蓬九星に関しては、直符天蓬九星と陰陽局、時の干が大事になります。
八神に関しては、地盤干の時の干が大事になり、配置法は陽局では時計回りになり、陰局では反時計回りになります。
八神の基準となるのは常に「直符」であり、そこを基準に「直符 騰蛇 太陰 六合 勾陳 朱雀 九地 九天」の順に巡ります。
奇門遁甲の立向盤と座山盤では、例外時の対応が異なりますが、八神の順と陽局陰局での対応は同じものになります。
八神を重要視する流派などでは、この八神の展開法や、基準となる直符をどのように配置するのかが大事なものになります。
八門と八神のような、中宮を考慮しない要素に関しては、常に配置順が決まっているため、暗記しておくと作盤がしやすくなります。
直使八門や直符天蓬九星と同じように、八神の直符は基準となる要素であり、特別な意味合いを持つものではありません。
流派により、「白虎 玄武」の八神を考慮することもありますが、ここでの奇門遁甲では、勾陳と朱雀にて表記し意味合いを考慮していくものとしています。
▼奇門遁甲の八神の象意
八神 | 象意 |
直符 | 公正明大な状況になる 周囲からの信頼を得る 正しい道を進める 好条件で契約内容が決まる |
騰蛇 | 危険なものが突然現れる 感情が高ぶり抑えが効かなくなる 怒りや憎しみのような感情に支配される |
太陰 | 日々の地道な努力が実る 周囲を支えることで成功する 感謝できるような素敵なことが訪れる |
六合 | すべてを受け入れることで成功できる 全ての物事が集まる 人望も期待も得て物事に向き合う |
勾陳 | 安定していたものが突然傾く 物事が停滞して動けなくなる 顧客からの苦情が殺到する |
朱雀 | 気や物が失われていく 火災などの災難に遭う 焦らされる状況になる 重要な判断を誤る |
九地 | 周囲を包み込む 謙遜することで信頼を得る 人を支えることで道が開ける 立場を最大限に生かせる |
九天 | 立場や条件が大いに向上する 目上の人との縁が開ける 重要な責任を担う 上の世界に昇り始める |