■奇門遁甲の九宮
奇門遁甲における九宮とは、「一白 二黒 三碧 四緑 五黄 六白 七赤 八白 九紫」の九宮になります。 奇門遁甲盤における表記としては単に「一 二 三 四 五 六 七 八 九」となります。 ここでの奇門遁甲では、天蓬九星と同じように、この九宮の象意は基本的に重視することはありません。 基本の配置の仕方や考え方は、日本の気学と同じようになりますが、「五黄殺 暗剣殺 本命殺 本命的殺」のような捉え方をしないのが奇門遁甲では一般的な考え方になります。
この九宮に関しては、基本的な象意もありますが、基本は八神と併せて吉凶を判断することになります。 また、八神と併せて吉凶を判断しても、遁甲盤を構成する各要素と比較すると影響力は小さなものとなります。 奇門遁甲の流派により、この九宮の影響を重視することや、日本の気学と併せて暗剣殺などを考慮する流派もあるので、その点は注意も必要になります。 どの流派の奇門遁甲を活用するのかはあらかじめ確認しておくことや、その流派での九宮の扱いを前提としておくのが大事になります。
ここでの奇門遁甲では、九宮は参考程度として、遁甲盤を構成する一つの要素的な感覚で捉えています。 また、九宮に関しては、陽局陰局などは関係なく飛泊の順の展開していくことになります。 詳細については作盤法などで解説しています。
奇門遁甲の九宮

九宮 | 吉凶 | 陽陰局定位 |
一白 | 吉 | 坎宮 |
二黒 | 平 | 坤宮 |
三碧 | 平 | 震宮 |
四緑 | 平 | 巽宮 |
五黄 | 凶 | 中宮 |
六白 | 吉 | 乾宮 |
七赤 | 平 | 兌宮 |
八白 | 吉 | 艮宮 |
九紫 | 吉 | 離宮 |
■奇門遁甲の九宮の象意と吉凶
奇門遁甲盤を構成する九宮は、「四吉宮」と「四平宮」「一凶宮」とに分けることができます。 流派により考え方などは変わる部分がありますが、概ねこのような捉え方で問題は無いでしょう。 九宮の象意を重視するような流派では、その流派での九宮の概念を重視するようにしてください。 ここでの奇門遁甲では、上記のような分け方から、「一凶宮」以外は活用できるというような背景で考慮します。
四吉宮になる九宮は、「一白 六白 八白 九紫」の四宮になり、四平宮になる九宮は「二黒 三碧 四緑 七赤」になります。 一凶宮になる九宮は、「五黄」となります。 この凶宮となる五黄以外は、大きな問題もないため、他の遁甲盤を構成する要素が良ければ問題なく活用することができます。 日本の気学などを気にする人の場合には、この九宮の象意なども考慮し、遁甲盤を使えば問題もないでしょう。 九宮の象意などを気にするか否かに関しては、それぞれの流派や利用者の判断の元に行うようにしてください。
奇門遁甲の九宮の象意と吉凶

九宮 | 内容 |
四吉宮 | 一白 六白 八白 九紫 |
四平宮 | 二黒 三碧 四緑 七赤 |
一凶宮 | 五黄 |
■奇門遁甲の九宮吉宮の象意
「一白」は、四吉宮の一つであり、吉象意を持つ九宮になります。 基本的な象意としては、「落ち着くこと 安定すること 冷静に対応できること 余裕が生まれること」などがあります。 一白宮の考え方としては、安定した状況の中で精神的に余裕が生まれてくること、物事に対して冷静に対応できること、その結果成功に至ること、というような象意になります。 他の構成要素が悪くなる場合、この九宮の象意も否定的な面が現れ、感情が欠落することや性的問題の発生などを暗示することになります。
「六白」は、四吉宮の一つであり、吉象意を持つ九宮になります。 基本的な象意としては、「内面の充実 外面の発展 成功に至る勇気と決断力 行動することで前に進むこと」などがあります。 六白の考え方としては、状況が安定してくることにより内面が充実してくること、その安定や成功のために果断して挑戦すること、勝利をつかめること、というような象意になります。 他の構成要素が悪くなる場合、この九宮の象意も否定的な面が現れ、無謀な挑戦による失敗や損失、自意識過剰になり孤立することなどを暗示することになります。
「八白」は、四吉宮の一つであり、吉象意を持つ九宮になります。 基本的な象意としては、「努力や忍耐が報われること 真面目な姿勢や考え方が評価されること 地道に続けること」などがあります。 八白の考え方としては、地道に忍耐強く物事を続けることで結果を出せること、そのような姿勢や考え方が評価されること、努力が報われ結果に至ること、というような象意になります。 他の構成要素が悪くなる場合、この九宮の象意も否定的な面が現れ、努力や真面目さが評価されないことや人の手柄になってしまうこと、忍耐が続くばかりになることなどを暗示することになります。
「九紫」は、四吉宮の一つであり、吉象意を持つ九宮になります。 基本的な象意としては、「積極的に挑戦することで成功に至ること、行動することが繁栄につながること、勇気や覚悟がもてること」などがあります。 九紫の考え方としては、積極的に行動することで成功すること、前に進む覚悟や勇気が持てること、その先に成功と繁栄が待っていること、というような象意になります。 他の構成要素が悪くなる場合、この九宮の象意も否定的な面が現れ、無謀な行動や挑戦による失敗や反感を買ってしまうことなどを暗示することになります。
奇門遁甲の九宮吉宮の象意

九宮 | 象意 |
一白 | 状況や心境は落ち着き安定する 冷静な対応が成功に至る 心に余裕が持てる |
六白 | 内面の充実 外面の発展 成功に至る勇気と決断 行動することで成功する |
八白 | 努力と忍耐が報われる 真面目な姿勢が評価される 堅実と安定 評価と出生 |
九紫 | 積極的に行動する 勇気と覚悟を手にする 行動が成功と繁栄に至る |
■奇門遁甲の九宮平宮の象意
「二黒」は、四平宮の一つであり、平象意を持つ九宮になります。 基本的な象意としては、「堅実で真面目な姿勢 平和や安定した状況や環境 質素倹約ができること 地味ながらも安定すること」などがあります。 二黒の考え方としては、、真面目で堅実な姿勢が評価されること、地味ながらも安定した環境や立場を手にすること、質素倹約ができること、というような象意になります。 他の構成要素が悪くなる場合、この九宮の象意も否定的な面が強調され、真面目さが失われ安定した環境が損なわれることなどを暗示することになります。
「三碧」は、四平宮の一つであり、平象意を持つ九宮になります。 基本的な象意としては、「活動で動きがあること 積極的に変化すること 対応が速く動きが鋭いこと 常に行動すること」などがあります。 三碧の考え方としては、非常に活発で動きが多くなること、積極的に変化を取り入れること、常に速い動きや変化が伴うこと、というような象意になります。 他の構成要素が悪くなる場合、この九宮の象意も否定的な面が強調され、動きが多くて落ち着けないことや人間関係などでの問題が多くなることなどを暗示することになります。
「四緑」は、四平宮の一つであり、平象意を持つ九宮になります。 基本的な象意としては、「状況に合わせて柔軟に行動すること 臨機応変な対応が出来ること 平和な状況が維持されること」などがあります。 四緑の考え方としては、どのような状況においても臨機応変に対応できて成功できること、無難な対応が安定と平和を維持できること、というような象意になります。 他の構成要素が悪くなる場合、この九宮の象意も否定的な面が強調され、八方美人になってしまい立場と信用を失ってしまうことなどを暗示することになります。
「七赤」は、四平宮の一つであり、平象意を持つ九宮になります。 基本的な象意としては、「快楽的で楽しいこと 明るく楽しい状況になること 状況に適切に対応できること 楽しく成功に至ること」などがあります。 七赤の考え方としては、楽しむことで成功が見えてくること、どのような状況でも楽観的に対応して成功すること、喜びや楽しみが大事になること、というような象意になります。 他の構成要素が悪くなる場合、この九宮の象意も否定的な面が強調され、楽しみや喜びなどの快楽に溺れて道を踏み外してしまうことなどを暗示することになります。
奇門遁甲の九宮平宮の象意

九宮 | 象意 |
二黒 | 堅実で真面目な姿勢 平和な環境 安定した状況 質素と倹約 地味ながらも安定 |
三碧 | 活発で動きが多い 積極的に変化する 動きが速く鋭い 常に変化して行動する |
四緑 | 状況に合わせた対応 臨機応変に動ける 平和な状況や環境を維持する 柔軟さと機転 |
七赤 | 明るく楽しい状況 状況に適切な対応ができる 楽観的に対応することで成功 快楽的 |
■奇門遁甲の九宮凶宮の象意
「五黄」は、四平宮の一つであり、凶象意を持つ九宮になります。 基本的な象意としては、「問題や障害の発生 不慮の事故や事故に遭遇する 進む道が塞がれる 身動きが取れない 問題の悪化 不運な状況 」などがあります。 五黄の考え方としては、問題や障害が発生して身動きが取れなくなること、不慮の事件や事故に巻き込まれること、問題が悪化して泥沼化すること、不運な状況が続くこと、というような象意になります。 他の構成要素が悪くなる場合、この九宮の象意もより否定的な面が強調され、不慮の事件や事故に巻き込まれて大事なものを失うこと、不運な状況や環境から抜け出せずに泥沼化することなどを暗示することになります。
奇門遁甲の九宮凶宮の象意

九宮 | 象意 |
五黄 | 問題や障害の発生 不慮の事件や事故に遭遇 進む道が塞がれる 問題は悪化する 不運な状況に陥る |
■九宮の定位と後天八卦
奇門遁甲における九宮は、「一白 二黒 三碧 四緑 五黄 六白 七赤 八白 九紫」の順に展開します。 陽局陰局共に、飛泊の順に展開することになるため、難しく考えずに局数と飛泊の順を覚えておければ展開させやすくなります。 奇門遁甲に限らず、古代中国から伝わる占術では、洛書九数図を基本に八方位や九宮(九星)を展開させることが多くなります。 基本は後天八卦で言うところの「坎宮」に「一白」を配置させ飛泊の順に展開するのが九宮(九星)の定位となります。 ここでの奇門遁甲において、九宮の要素に関しては、伏吟や反吟の考慮などもすることなく、参考程度の要素として配置させていきます。
奇門遁甲の時盤を重視している中国の奇門遁甲の流派などでは、八神と九宮の組合せなどを重視して、遁甲盤の吉凶を判断することもあります。 その際には九宮の象意などが大事になり、八神と併せて象意が強まることや弱まることなどがあるので注意してください。 ここでの奇門遁甲の九宮に関しては、参考程度のものになり、日本の気学などで考える「暗剣殺 五黄殺 本命殺 本命的殺」などの考慮はしません。 また、8方位に関しても360度を8等分する各方位45度になりますので注意してください。
九宮の定位と後天八卦

四緑 | 九紫 | 二黒 |
三碧 | 五黄 | 七赤 |
八白 | 一白 | 六白 |
巽 | 離 | 坤 |
震 | 兌 | |
艮 | 坎 | 乾 |