■奇門遁甲の象意と格局
奇門遁甲を活用する際には、遁甲盤という奇門遁甲特有の盤を作成して、土地や方位の吉凶を判断します。 その遁甲盤を構成する各要素には象意というものがあり、その組み合わせにより格局が構成されることや、吉凶が判断されることになります。 この遁甲盤を構成する各要素の象意をある程度把握しておくことができると、奇門遁甲を目的に合わせて活用することができるようになります。 格局を構成しない場合でも、遁甲盤を構成している要素の象意を把握しておければ、的確に遁甲盤を活用できます。
奇門遁甲の遁甲盤を構成する各要素の象意に関しては、立向盤も座山盤も共通の内容になり、流派による違いなどもほとんどありません。 奇門遁甲の基本的な部分でもあり、応用も効く部分になるため、各要素に合わせての大まかな意味合いや象意は確認しておくようにしましょう。 格局の考え方は、麻雀で言うところの役のようなもので、遁甲盤を構成する要素により格局が生じます。 この組み合わせにより、その方位の土地の気が吉凶共に強くなると判断し、各構成要素の象意に格局の象意が加わることになります。
要素 | 内容 |
基本 | 地干 天干 八門 天蓬九星 八神 九宮 |
象意 | 各構成要素は象意を持つ |
格局 | 吉格局 凶格局 計40前後 |
方位 | 上が南の8方位 8等分 各45度 |
各盤 | 年盤 月盤 日盤 時盤の概念を採用 |
立座 | 立向盤 座山盤の概念を採用 |
■奇門遁甲の基本要素
奇門遁甲の遁甲盤を構成する基本要素は、「地干」「天干」「八門」「天蓬九星」「八神」「九宮」の六要素になります。 これらの要素の組み合わせにより、遁甲盤が構成され、それぞれの象意の吉凶を元に、その方位の土地に巡る気を考察するのが奇門遁甲になります。 この基本要素は非常に重要になり、奇門遁甲を活用するには外せない要素になります。 格局などに注目が集まりますが、実際にはこの基本象意を理解していることが、本当の意味での奇門遁甲を活用する際に重要になります。
どの流派の奇門遁甲でも、これらの構成要素はほぼ変わることはありません。 どの要素を重視するのかなどは、流派などで大きく変わり、また作盤法などが変わるために、同じ日時の遁甲盤が違う盤になる事もあります。 それら流派により異なる部分もありますが、これらの基本要素の象意は概ね変わることが無いため、押さえておくようにしましょう。
要素 | 内容 |
地干 | 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸 |
天干 | 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸 |
八門 | 休門 生門 傷門 杜門 景門 死門 驚門 開門 |
天蓬九星 | 天蓬星 天芮星 天冲星 天輔星 天禽星 天心星 天柱星 天任星 天英星 |
八神 | 直符 騰蛇 太陰 六合 勾陳(白虎) 朱雀(玄武) 九地 九天 |
九宮 | 一白 二黒 三碧 四緑 五黄 六白 七赤 八白 九紫 |
■奇門遁甲の補足事項
遁甲盤を構成する要素の地干と天干は上記で解説しましたが、地干や天干は甲尊と三奇六儀で構成されています。 甲尊は「甲」で表示されますが、奇門遁甲の「甲」で使われているように、特別な意味合いがあります。 作盤法などで詳細が有りますが、旬首という概念から六儀が甲尊として扱われることになります。 この六儀とは、十干の「戊 己 庚 辛 壬 癸 」の6つの要素であり、残りの3つの要素「乙 丙 丁」が三奇となります。 これらの「甲尊」「三奇」「六儀」から地干と天干が構成され、ここでの奇門遁甲では重視する部分を構成することになります。
奇門遁甲を活用する際には、易学における八卦の概念も大事になり、その象意や後天方位などは把握しておくようにしてください。 また、奇門遁甲盤の方位は全て上が南になり、下が北になります。左が東になり、右が西になります。 一般的な地図とは上下左右が反対になるため、感覚的に奇門遁甲の方位と地図の方位との違いを把握しておくようにしましょう。 基本は地図と奇門遁甲の方位は、180度反対になると覚えると分かりやすくなります。 このあたりの基本的な考え方や概念なども、流派などにより大きく変わることはありません。
要素 | 内容 |
甲尊 | 甲尊 |
三奇 | 乙奇 丙奇 丁奇 |
六儀 | 戊儀 己儀 庚儀 辛儀 壬儀 癸儀 |
八卦 | 乾卦 兌卦 離卦 震卦 巽卦 坎卦 艮卦 坤卦 |
方位 | 北 北東 東 南東 南 南西 西 北西 |
■遁甲盤の方位と卦位
奇門遁甲と易学における八卦は、直接関わるという訳ではありませんが、奇門遁甲で重要な方位を卦位で表すことが多くなります。 この卦位は後天八卦の方位となり、「坎位は北」「離位は南」というような表現で表されることもあります。 この後天八卦と方位に関しては、奇門遁甲を活用する際には感覚的に把握しておくことも大事になります。 同じように洛書(後天図)と併せて、方位と卦位、九宮と五行を併せて把握しておくようにしてください。
これらの基本方位や用語に関しては、解説書や先生により使い方が変わることが有ります。 基本を理解しておけば、どのような解説書を読んでも、どのような先生の講義を聞いても内容を理解しやすくなります。 日本の九星気学などでも、九宮や卦位の概念は同じになるので、理解しやすくなります。 この洛書を元にしている基本宮や卦位と方位の関係などは流派などにより変わることがない内容になります。
卦位 | 洛書 | 方位 |
一宮 | 坎位 | 北 |
二宮 | 坤位 | 南西 |
三宮 | 震位 | 東 |
四宮 | 巽位 | 南東 |
五宮 | ---- | 中央 |
六宮 | 乾位 | 北西 |
七宮 | 兌位 | 西 |
八宮 | 艮位 | 北東 |
九宮 | 離位 | 南 |