■奇門遁甲の基本用語
ここでは、奇門遁甲の基本となる基本用語を解説しています。
奇門遁甲は古代中国を起源とするため、用語の全ては漢字になります。
物によっては、現代の一般的な漢字に存在しないものもあり、独特な呼び方も多くなります。
日本語で読むにも限界があり、用語によっては中国語に近い読み方が必要になる物もあります。
普段目にしない感じが多く使用され、どう読んで良いのか分からない単語も多くなります。
また、その単語なども流派や遁甲家によって読み方や発音なども異なるため、理解に悩むこともあります。
日本でも東と西では、同じ奇門遁甲の用語でも発音の仕方などが変わります。
古代中国を起源とする占術では、これらの事が良くあり、読み方や韻の踏む方など、占術家や地域により変わることが多々あります。
韻に関しては、地域によるため、文章で解説をするのが難しくなります。
読み方に関しても、遁甲家や流派により変わり、現代では辞書の変換による違いもあるため、用語によっては読み方が変わってしまうこともあります。
相手と読み方や韻が違ったとしても、気にすることなく進めていくことや、良いと思える韻や読み方を採用すれば問題ないでしょう。
読み方や韻が違っても、内容自体は同じものになりますし、遁甲家あるある話でもあるので、気にせず話を進めてください。
読み方や韻にこだわるような視野の狭い解釈をする遁甲家に対しては、逆に気を付けた方が良いでしょう。
▼奇門遁甲の基本用語~歴史編
用語 | 読み | 簡単な内容 |
奇門遁甲 | きもんとんこう | 現代での呼称 |
八門遁甲 | はちもんとんこう | 中代中国での呼称 |
遁甲 | とんこう | 古代中国での呼称 |
太乙神数 | たいいつしんすう | 天式 天の盛衰 国家の盛衰 時運の流れ |
奇門遁甲 | きもんとんこう | 地式 地の盛衰 土地の盛衰 地運の流れ |
六壬神課 | りくじんしんか | 人式 人の盛衰 人民の盛衰 心情の流れ |
天式 | てんしき | 太乙神数 |
地式 | ちしき | 奇門遁甲 |
人式 | じんしき | 六壬神課 |
武経七書 | ぶけいしちしょ | 古代中国の兵法の代表となる七つの書 |
孫子 | そんし | 著者 孫武 戦略的思想の基盤などを説いた |
呉子 | ごし | 著者 不明 部隊編制法などを説いた |
尉繚子 | うつりょうし | 著者 尉繚 政治の重要性などを説いた |
六韜 | りくとう | 著者 黄石公 政治的戦略の重要性などを説いた |
三略 | さんりゃく | 著者 太公望 黄石公 人材と政治の重要性などを説いた |
司馬法 | しばほう | 著者 司馬穰苴 戦争における儀礼などを説いた |
李衛公問対 | りえいこうもんたい | 著者 不明 古代の名将による兵法のまとめ |
黄帝 | こうてい | 姓は姫姓 氏は軒轅氏 東洋医学の祖 |
蚩尤 | しゆう | 古代中国の伝説上の神様 |
伏羲 | ふくぎ ふっき | 伝説上の為政者 八卦その他の考案者 |
神農 | しんのう | 神農大帝 医薬と農業の神 |
女媧 | じょか | 人類を創造したとされる女神 |
燧人 | すいじん | 伝説上の神 |
祝融 | しゅくゆう | 伝説上の神 |
風后 | ふうこう | 黄帝の臣 (軍師) 握奇陣を伝える |
呂尚 | りょしょう | 周の時代の軍師 太公望(たいこうぼう) |
張良 | ちょうりょう | 前漢の時代の劉邦(りゅうほう)の軍師 |
諸葛亮 | しょかつりょう | 三国時代の蜀漢の軍師 |
趙晋 | ちょうしん | 煙波釣叟歌の著者 紀元後900年代 |
劉基 | りゅうき | 劉伯温 朱元璋の軍師 明の建国の功労者 紀元後1350年前後 |
程道生 | ていどうせい | 遁甲演義の著者 紀元後1600年前後 |
甘霖 | かんりん | 甘氏奇門一得の著者 紀元後1600年前後 |
戦国時代 | せんごくじだい | 紀元前5世紀から3世紀ごろ ※諸説あり |
三国時代 | さんごくじだい | 紀元後184から280年 三国志の時代 ※諸説あり |
握奇陣 | あっきじん | 黄帝が風后につたえる |
煙波釣叟歌 | えんぱちょうそうか | 奇門遁甲最古の文献 紀元後900年代 |
遁甲演義 | とんこうえんぎ | 程道生著の奇門遁甲文献 紀元後1600年前後 |
甘氏奇門一得 | かんしきもんいっとく | 甘霖著の奇門遁甲文献 紀元後1600年前後 |
用語 | 読み | 簡単な内容 |
▼奇門遁甲の基本用語~基本思想編
用語 | 読み | 簡単な内容 |
陰陽思想 | いんようしそう | 全ての物事は陰と陽から成るとする思想 |
五行思想 | ごぎょうしそう | 全ての物は五行から成るとする思想 |
陰陽五行思想 | いんようごぎょうしそう | 全てのものは陰陽と五行から成るとする思想 |
五行 | ごぎょう | 木行 火行 土行 金行 水行 |
木行 | もくぎょう | 木の要素 甲と乙 |
火行 | かぎょう | 火の要素 丙と丁 |
土行 | どぎょう | 土の要素 戊と己 |
金行 | きんぎょう | 金の要素 庚と辛 |
水行 | すいぎょう | 水の要素 壬と癸 |
相生 | そうせい | 五行が相手の気を生じる関係 |
相剋 | そうこく | 五行が相手の気を剋する関係 |
八卦 | はっけ はっか | 乾 兌 離 震 巽 坎 艮 坤 の八卦 |
乾 | けん | 象意:天 先天数:一 後天数:六 定位:六宮 方位:北西 |
兌 | だ | 象意:沢 先天数:二 後天数:七 定位:七宮 方位:西 |
離 | り | 象意:火 先天数:三 後天数:九 定位:九宮 方位:南 |
震 | しん | 象意:雷 先天数:四 後天数:三 定位:三宮 方位:東 |
巽 | そん | 象意:風 先天数:六 後天数:四 定位:四宮 方位:南東 |
坎 | かん | 象意:水 先天数:七 後天数:一 定位:一宮 方位:北 |
艮 | ごん | 象意:山 先天数:八 後天数:八 定位:八宮 方位:北東 |
坤 | こん | 象意:地 先天数:九 後天数:二 定位:二宮 方位:南西 |
河図 | かと | 伝説では伏羲が考案した 先天図 |
洛書 | らくしょ | 伝説では夏王朝の祖となる禹が考案 後天図 |
十干 | じっかん | 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸 |
十二支 | じゅうにし | 子 丑 寅 卯 辰 巳 午 未 申 酉 戌 亥 |
六十干支 | ろくじゅうかんし | 十干十二支の組合せの60組 甲子から癸亥 |
用語 | 読み | 簡単な内容 |
▼奇門遁甲の基本用語~奇門遁甲基本編
用語 | 読み | 簡単な内容 |
八方位 | はちほうい はっぽうい | 各45度ずつの等分の8方位 |
磁北 | じほく | 磁針が指す北 真北とは異なる |
自然時 | しぜんじ | その地の太陽の位置で決まる時間 経度1度毎に4分 |
三元 | さんげん | 上元 中元 下元 各60干支の単位 |
陽局 | ようきょく | 冬至から芒種まで 日が出ている時間が長くなる期間 |
陰局 | いんきょく | 冬至から大雪まで 日が出ている時間が短くなる期間 |
二十四節気 | にじゅうよんせっき | 太陽黄経を15度ずつ区切る期間 |
奇門遁甲24節気 | きもんとんこう~ | 符頭日より15日1節気とする奇門遁甲独特の節気 |
符頭 | 符頭 | 冬至や夏至に近い「甲子 己卯 甲午 己酉」の日 |
夏至 | げし | 太陽黄経90度になる日(日が出ている時間が一番長い) |
冬至 | とうじ | 太陽黄経270度になる日(日が出ている時間が一番短い) |
春分 | りっしゅん | 太陽黄経0度になる日(昼夜の長さが同じ) |
秋分 | しゅうぶん | 太陽黄経180度になる日(昼夜の長さが同じ) |
超神 | ちょうしん | 奇門遁甲24節気が実24節気より先行する場合 |
節気 | せっき | 奇門遁甲24節気が実24節気に後続する場合 |
遁甲盤 | とんこうばん | 奇門遁甲 地式を表す盤 |
方位盤 | ほういばん | 遁甲盤の八方位の各宮の構成 |
立向盤 | りっこうばん | 土地に巡る気を読む盤 |
座山盤 | ざざんばん | 土地に訪れる気を読む盤 |
作盤 | さくばん | 遁甲盤を作成する |
年盤 | ねんばん | 年を基準とした奇門遁甲盤 |
月盤 | げつばん | 月を基準とした奇門遁甲盤 |
日盤 | にちばん | 日を基準とした奇門遁甲盤 |
時盤 | じばん | 時を基準とした奇門遁甲盤 |
甲尊 | こうそん | 旬首六儀 10干支の代表 |
三奇 | さんき | 乙奇 丙奇 丁奇 |
六儀 | りくぎ | 戊儀 己儀 庚儀 辛儀 壬儀 癸儀 |
旬首 | じゅんしゅ しゅんしゅ | 連続する10干支の代表 |
直使 | ちょくし | 八門の代表 |
大直符 | だいちょくふ | 天蓬九星の代表 (直符) |
直符 | ちょくふ | 八神の代表 直符 |
時の干 | ときのかん | 年盤は年干 月盤は月干 日盤は日干 時盤は時干 |
卦位 | かい | 乾 兌 離 震 巽 坎 艮 坤の定位(後天) |
定位 | じょうい ていい | 基本の配置となる場所(宮) |
伏吟 | ふくぎん | 同じ要素(定位)が同宮する |
反吟 | はんぎん | 定位が反対となる要素が同宮する |
格局 | かくきょく | 方位盤を構成する要素の特定の組合せ |
吉格局 | きちかくきょく | 構成する要素の良い組み合わせ |
凶格局 | きょうかくきょく | 構成する要素の悪い組み合わせ |
活用法 | かつようほう | 奇門遁甲を有効的に使用する方法 |
造作法 | ぞうさくほう | 土地などを動かして気を発動させる方法 |
用語 | 読み | 簡単な内容 |
▼奇門遁甲の基本用語~基本要素編
用語 | 読み | 簡単な内容 |
天盤干 | てんばんかん | 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸 |
地盤干 | ちばんかん | 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸 |
甲 | きのえ こう | 立場と名声を得る 評価と出世の獲得 |
乙 | きのと おつ | 安定と安心を得る 婚姻や男女の和合 |
丙 | ひのえ へい | 財産と繁栄を得る 財産や物質面の上昇 |
丁 | ひのと てい | 知恵と知識を得る 知力や応用力の上昇 |
戊 | つちのえ ぼ | 信用と信頼を得る 立場と評価の上昇 |
己 | つちのと き | 感情と人気を得る 期待と人気の獲得 |
庚 | かのえ こう | 問題と障害の発生 波乱と混乱の到来 |
辛 | かのと しん | 勉学や修道の過程 私利私欲から離れる |
壬 | みずのえ じん | 勝負と競争と発生 勝負力と闘争心の上昇 |
癸 | みずのと き | 悩みと逃避の発生 不安と不安の到来 |
八門 | はちもん | 休 生 傷 杜 景 死 驚 開 |
休門 | きゅうもん | 貴人と面会 平和な時間が訪れる |
生門 | せいもん | 出産と妊娠 何かが生まれる |
傷門 | しょうもん | 事件や事故 自他共に傷つく |
杜門 | ともん | 埋葬や葬儀 物事を隠す |
景門 | けいもん | 執筆や芸術 賑やかで発展する |
死門 | しもん | 終局や終了 物事の進行が停止する |
驚門 | きょうもん | 思いもしない出来事が訪れる |
開門 | かいもん | 発展や開運 道が開かれる |
天蓬九星 | てんほうきゅうせい | 蓬 芮 冲 輔 禽 心 柱 任 英 |
天蓬星 | てんほうせい | 予期せぬ問題の到来 |
天芮星 | てんだいせい | 立場が不安定になる |
天冲星 | てんちゅうせい | 勢い良く前進できる |
天輔星 | てんほせい | 周囲と喜びを分かち合う |
天禽星 | てんきんせい | 少ない労力で大利を得る |
天心星 | てんしんせい | 精神的な関係性の向上 |
天柱星 | てんちゅうせい | 重要な拠点や大事なものを守れる |
天任星 | てんにんせい | 目上から評価されて信頼を得る |
天英星 | てんえいせい | 表面ばかりの関係に陥る |
八神 | はちしん | 符 蛇 陰 合 陳 雀 地 天 |
直符 | ちょくふ | 気品があり社会的な立場の高い人の意 |
騰蛇 | とうだ | 虚言癖があり詐欺や悪事に加担する人の意 |
太陰 | たいいん | 正直で慈愛に満ちた清く優しい人の意 |
六合 | りくごう | 温厚で博愛精神を持つ善良な人の意 |
勾陳 | こうちん | 何事にも過剰で無鉄砲な人の意 |
朱雀 | すざく | 聡明だが悪事に加担し名声と富を求める人の意 |
九地 | きゅうち | 温厚で優雅な振る舞いをする従順な人の意 |
九天 | きゅうてん | 謙虚で私欲がなく公平で堂々とした人の意 |
白虎 | びゃっこ | 安定していたものが突然傾く |
玄武 | げんぶ | 気や物が失われていく |
九宮 | きゅうぐう | 一 二 三 四 五 六 七 八 九 |
一白 | いっぱく | 安定した状況や冷静沈着での成功の意 |
二黒 | じこく | 堅実で真面目、平和や安定の意 |
三碧 | さんぺき | 活動的で動きのある状況や、積極的な変化の意 |
四緑 | しりょく | 状況に合わせ、無難で柔軟に対応する意 |
五黄 | ごおう | 問題や障害、事故などの不運の意 |
六白 | ろっぱく | 内面の充実と外面の発展、成功に踏み込む勇気の意 |
七赤 | しちせき | 快楽的で楽しい状況の意 |
八白 | はっぱく | 努力や忍耐が報われ真面目さが評価される意 |
九紫 | きゅうし | 積極的な活動での成功や挑戦する勇気の意 |
用語 | 読み | 簡単な内容 |