■奇門遁甲の天地干 天干「乙奇」
奇門遁甲における乙奇の象意は、「安定と安心を得る 婚姻や男女の和合 人間関係の安定や交流を円満活性化」などになります。 乙奇の考え方は、人間関係などに特に良い意味をもたらし、周囲との関係の向上や、良い人との出会いなどを表します。 基本は良い意味を持つことになりますが、構成する天地干や八門との関係を考慮していくことが大事になります。 また、乙の状態としては、小さな植物や草花が生育している状態を表します。
天干乙と地干甲の関係は「錦上添花」と称し、美しい木に美しい花が咲く状態を表しています。 象意としては、良いことに良いことが重なることを表し、心が幸せに満たされること、進む道が明るく照らし出されることなどを表します。 喜びに喜びが重なり、幸せに幸せが重なることで、心が満たされより大きな喜びに発展させられること、周囲や有力者からの協力が得られて幸せへの好機の到来などが期待できます。 仕事では周囲や有力者からの協力が得られて喜びが訪れること、恋愛では相手との関係が進展して喜びの多い状況に至ることなどが期待できます。
天干乙と地干乙の関係は「伏吟雑草」と称し、辺り一面雑草が無駄に生い茂る状態を表しています。 象意としては、何をしても空回りすることを表し、努力が空しく失われていくことや裏目に出ること、騒がしいばかりで中身がともなわないことなどを表します。 一生懸命努力しても結果に繋がらずに失望してしまうこと、忙しく騒がしい状況になる割には結果が伴わずに意味をなさないことなどを表します。 仕事では苦労ばかりで結果が伴わないことや周囲に足を引っ張られてしまうこと、恋愛では話ばかりで中身が伴わずに振り回されてしまうことなどを表します。
天干乙と地干丙の関係は「三奇順遂」と称し、草花が朝日を浴びて輝いている状態を表しています。 象意としては、人間関係が円滑に進む事を表し、何事も取り組んでいる物事が順調に進むこと、周囲との人間関係などが円満になり立場が安定することなどを表します。 流れに恵まれることで思うように事が運ぶ状況になること、周囲からの評価を得て関係が向上すること、立場が向上して安定していくことなどが期待できます。 仕事では周囲の協力や評価を得て成功し、安定した立場を得る事が期待でき、恋愛では周囲からの注目が集まることで関係が悪化してしまう恐れがあります。
天干乙と地干丁の関係は「三奇相佐」と称し、香木が燃える芳香で気を静める状態を表しています。 象意としては、周囲との調和がとれて安定することを表し、物事が順調に進展していくこと、地道な作業が滞りなく進み満足いく方向に定まることなどを表します。 状況や周囲の流れと協調することができ、物事が安定して順調に進むこと、地道な作業なども順調に進展して結果に近づいていくことなどが期待できます。 仕事では周囲と協力することで結果を出させること、状況が安定して問題がなくなること、恋愛では地味ながらも距離が近づき安定していくことなどが期待できます。
天干乙と地干戊の関係は「鮮花名瓶」と称し、美しい花が美しい花瓶に生けてある状態を表しています。 象意としては、心強い有力者との出会いを表し、自分が目指している目的地への後押しが得られること、周囲からの評価や好感が得られて成功することなどを表します。 周囲からの評価が良くなることで、円満な人間関係が形成できること、安定した状況から幸せや喜びごとが生まれることなどが期待できます。 仕事では周囲からの評価が良くなり、立場を守ってもらえること、恋愛では相手からの強い意思を受けて幸せが守られ、喜ばしいことが訪れることが期待できます。
天干乙と地干己の関係は「壌土培花」と称し、土壌に恵まれ草花が生い茂る状態を表しています。 象意としては、好機を得て成功することを表し、環境に恵まれ実力を最大限に発揮できること、円満で幸せな環境や日々を享受できることなどを表します。 周囲の人間関係や環境に恵まれることで、自分の思うような方向に進めること、その後押しを得て最大限に実力を発揮できる舞台が訪れることなどが期待できます。 仕事では活躍できるような大事な舞台が訪れてくること、恋愛では本質を理解してくれ関係が根本的な部分から向上することなどが期待できます。
天干乙と地干庚の関係は「日奇被刑」と称し、草花が鎌で刈り取られている状態を表しています。 象意としては、周囲の環境が傷ついてしまうことを表し、周囲との距離が出来ること、争い事などが生じて周囲との関係が悪化することなどを表します。 円満な人間関係から遠ざかり、周囲からの誹謗中傷を浴びる事態に陥ること、財産争いや夫婦間の問題が悪化してしまうことなどを表します。 仕事では周囲との関係が悪化して、立場を失うことや圧力を受けること、恋愛では相手との関係が悪化して将来への道が閉ざされてしまうことなどを表します。
天干乙と地干辛の関係は「青竜逃走」と称し、生けられた花が鋏で切り取られる状態を表しています。 象意としては、好機が手元から遠ざかってしまうことを表し、大事な人を失うこと、大事なものや環境から離れることなどを表します。 信頼関係が大きく崩れてしまい、周囲の人に裏切られてしまうこと、大事な機会を失い失望する状況に至ること、大事なものを失い途方に暮れることなどを表します。 仕事では信頼を失い立場を悪くしてしまうこと、恋愛では相手に裏切られて関係が悪化していくこと、大事なものを失い路頭に迷ってしまうことなどを表します。
天干乙と地干壬の関係は「荷葉蓮花」と称し、水辺に美しい蓮の花がさく状態を表しています。 象意としては、周囲の環境や時運に恵まれることを表し、思わぬ所からの好機の到来や、目的達成へ挑戦できる機会の到来などを表します。 流れに恵まれ順調に事が進む事で、喜びや幸せが多い状況になること、有力者から好かれて立場が大きく向上していくことなどが期待できます。 仕事では流れに恵まれ、大きな結果を出せるような好機が到来してくること、恋愛では玉の輿に乗れるような相手との出会いや縁談が期待できます。
天干乙と地干癸の関係は「緑野朝露」と称し、草花から朝露がはかなく落ちる状態を表しています。 象意としては、精神的に弱くなることを表し、繊細な気遣いや思いやりが自分を追い込んでしまうこと、悲観的な考えや妄想を大きくしてしまうことなどを表します。 精神的に弱くなり、些細な事に振り舞わされてしまうことや、感情的になって暴走してしまうこと、逆に気力が湧かずに何もできずに好機を逃してしまうことなどを表します。 仕事では周囲との関係や業務内容に不満を抱えてしまうこと、恋愛では不安要素が大きくなり感情的に暴走してしまうこと、中途半端な優しさから、精神的に大きな痛手を負ってしまうことなどを表します。
天干 | 地干 | 名称 |
→ 状態の説明 | ||
→ 象意の解説 |
天干:乙 | 地干:甲 | 錦上添花 |
美しい木に美しい花が咲く | ||
良い事に良い事が重なり、喜びに喜びが重なる。心が幸せに満たされ、更なる幸せを呼び込む。幸せを満喫できる。 |
天干:乙 | 地干:乙 | 伏吟雑草 |
辺り一面雑草が無駄に生い茂る | ||
何をしても心が満たされず、やればやるほど失望に繋がる。日ごろの安定や幸せを見直し、目の前の幸せを大事に。 |
天干:乙 | 地干:丙 | 三奇順遂 |
草花が朝日を浴びて輝いている | ||
交友関係が円滑になり、物事が順調に進む。目上との関係も良好になり、立場の向上に繋がる。男女関係は悪化。 |
天干:乙 | 地干:丁 | 三奇相佐 |
香木が燃える芳香で気を静める | ||
周囲との調和が取れ、万事が安泰で順調に展開する。特に学業や執筆などの方面では、大きな喜びごとが訪れる。 |
天干:乙 | 地干:戊 | 鮮花名瓶 |
美しい花が美しい花瓶に生けてある | ||
有力者との出会いが期待できる。好感を持たれ、交友関係が円滑になる。旅行や恋愛面では、喜びごとが訪れる。 |
天干:乙 | 地干:己 | 壌土培花 |
土壌に恵まれ草花が生い茂る | ||
良き時と場所を得て、物事が円滑に進むようになる。環境や交友関係に恵まれ、円満で幸せな生活を享受できる。 |
天干:乙 | 地干:庚 | 日奇被刑 |
草花が鎌で刈り取られている | ||
交友関係が損なわれ、争い事が生じる。喜びごとや平和な交友関係から疎遠になる。財産争いや夫婦間の問題など。 |
天干:乙 | 地干:辛 | 青竜逃走 |
生けられた花が鋏で切り取られる | ||
交友関係が損なわれ、人に裏切られることも。喜びや財産が手元から失われる。財産の損失や家畜の損害など。 |
天干:乙 | 地干:壬 | 荷葉蓮花 |
水辺に美しい蓮の花がさく | ||
男性は、楽しく喜びごとの多い遊びや、旅行の誘いが到来する。女性は、有力者などとの玉の輿の縁談が到来する。 |
天干:乙 | 地干:癸 | 緑野朝露 |
草花から朝露がはかなく落ちる | ||
精神的に打たれ弱くなり、世の中のことから逃避したくなる。何をするにも気力が湧かず、消極的になってしまう。 |